喪失としての時間−「存在の彼方へ」を読んでみる13/もぐもぐ
の、純粋な「名詞」としてしか、あることができない。つまり、「0(ゼロ)」は、現実においては存在していないものについての、言語(観念)のレベルでの「標識」に過ぎない)。
「経過=喪失」という語は、現実には存在してないものの言語レベルでの「空虚な記号」(標識)である。しかも、単に存在していないというだけでなく、終わってしまった、消え去った「変化」の「記号」(標識)である。レヴィナスはこのような「変化」の「記号」(標識)を「痕跡」という語で呼ぶ(例えばp43「責任は、現在を必要としない不可視のものが、現在を必要としないという事態そのものによってある『痕跡』を残すのと同じ仕方で応答する」)。
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