夜の椅子/いねむり猫
夜の小さなカウンターで
一人ぼんやり飲んでる
酒を口に運ぶのも忘れて 大きな窓から街を見ている
街灯は 光の届かない闇の居場所を示している
光より闇にひかれる 人の顔など見たくもない
夜の孤独が私を 飾りのない白い壁に貼り付ける
私は 頭を打ち抜かれた死体のように 目を見開いて
明るい店の中に座る私を だれも見ていない
こんな夜は
街をさまよい歩いても 店で飲んでいても おそらくは同じだ
どこにいても 私の焦りは 白く照らし出されて
苛立ちの中で 目を閉じることが できない
ふと逃げ込んだ路地裏で
ゴミ箱の
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)