定置漂流/ホロウ・シカエルボク
たものが建つはずだったんだけど
話は立ち消えてただただがらんとしている
あの頃店内放送から聞こえていたいくつもの流行歌
あの頃売れていたシンガーがひとり
何か漠然とした状況で落下して死んだ
どうにもこのところ午後から曇ってばかりいる
すべてが優しい歌のようで
すべてが明るいあこがれで
おまえらはまるで夢のようだ
洗おうともしない穢れに蓋をして白く塗り潰す
釈然としない雲の色合い
そうしとけば
降ろうが渇こうが
許されると思ってんのさ
受け止める為だけの地平が
覚悟を決められなくて焦れている
そのさまを眺めてもし
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