永遠/アンテ
休み時間じゅう窓のそとを眺めているのかもしれない
今のところ
クラスメートがわたしを分析する説のなかに
そんなアイデアがあがったことはない
窓は自由の象徴なのだとか
王子様に憧れる童話の主人公だとか
他愛のないものばかりだ
窓について
ようくんとは話をしたことがない理由を
ときどき考える
ようくんの病室にいるあいだは
なぜだか窓なんか全然気にならないのだ
あーら不思議不思議
だなんて
これっぽっちも思っていないのだけれど
ホームルームが終わって
荷物をまとめて教室を出る
いつもの道順で図書館に寄って
ようくん用に
一日分のノートをコピーする
明日は
[次のページ]
[ｸﾞﾙｰﾌﾟ]
戻る 編 削 Point(5)