予知夢/aidanico
っぺらさのある、発色の鈍い紺であった)(あるいはそれは黒だったものが洗いくたびれて色褪せたのかもしれない)男は駅の改札を通ろうとする私を反対側から無理矢理追い返して、自宅へと強引に案内させたのだったそこから彼はひたすら一種狂人めいた理論を展開させていったのではあるが、それと同時に、私の行為を少しずつ拘束していったのだったそれ以外何をすると言うのではないのだが、窓は開けるな、鍵をかけろ、エアコンを消せ、というのから次第にエスカレートし始め、水はそれ以上飲むな、歯を磨け(ビールで口を濯げというのが特に不可解な指示であった)、湯を沸かせ、そして湯が沸くまでその男と喋ることも無いので煙草を吸い音楽でも聞こ
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