あをの過程さんの時間論−「存在の彼方へ」を読んでみる12/もぐもぐ
て思い出すことの出来ないある瞬間)との関係という観点から、考えていこうとする。思い出せない、意識に上らない場所で私と取り結ばれている約束、それがないか。歴史と記憶の中で見出されていく「私の」目的、それとは異なるあり方がないか(この限りで、レヴィナスは、「目的論」と立場を異にする。レヴィナスによれば、「目的論」は「存在(生)」の「利害・闘争」に仕えるものに留まり、それとは「別の仕方で」が捜し求められなければならないのだ)。レヴィナスはそれを、この「起源に先立つ過去」に締約された「責任」という観点から見ていこうとするのである。そしてそれは、「過ぎ越し」の場面に現れている旧約聖書の神の威力(暴力と責任、
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