あをの過程さんの時間論−「存在の彼方へ」を読んでみる12/もぐもぐ
 
される。確定された解釈は、その後は「解釈」ではなく、「事実」として扱われるようになる。これをアフォリズム的に表現すれば、「解釈とは、未来から過去へ遡及する運動なのだ」(解釈により、可能性は絞り込まれて一つの事実として確定される)と言うことができるだろう。
解釈主体としての私は、私以外の様々な「出来事」に取り巻かれている。どれもが無数の解釈を許す。出会った初めのころ、すべての出来事は無数の「未来」を持っている(=多様な解釈を許す)。けれども、時間がたつにつれて、私たちはその出来事の真相(事実)を知るだろう。出来事は確定された「過去」のものになる。出会いにおいて、私たちは「未来」(多様な解釈の可能性
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