あをの過程さんの時間論−「存在の彼方へ」を読んでみる12/もぐもぐ
つの出来事である誕生に向かって生きているのではないだろうか。誕生から死へと老いていくように思うのは、単にわれわれが順番を逆向きに把握しているだけなのかもしれない」
これは先のものに似ている。時間の経過が実際の経験ではなく「解釈」という形であらわれ、また「解釈」の対象になるのが世界内の全ての「出来事」である点を除けば、あとは基本的に共通である。出会った様々な出来事は多様な解釈を許す。いわば、起きてしまった出来事は、「これは〜である」と「確定」されるまでの間、無数の仕方で「解釈」される「可能性」を持っている。
過去の出来事は私の生の場合と違って、成長したりその状態が変化したりすることは本来ない
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