傷/石畑由紀子
ぶ、母、抱きかかえ病院へ走る、白いカローラが巻き散らす白、たなびき舞い上がり私たち
の背中をのみ込んで、渦、巻いて、ゆく、白/と/、//
それはおさないころ
さいわい
打撲の内出血のみで切り傷にはならず縫合もしなかったので
針穴がつくような酷い痕にはならず、さらには
正面からでは意外と気にならない位置だったからか
娘は傷のコンプレックス無しに育ちました
というかそのあと自分でつくった生傷の数々ったらもう、おてんばだったからね
それでも、母の
娘をみずから早々に傷ものにしてしまったショックは想像に余りある
私には、娘はいないけれど
そのくらいのことは、
わか
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