場所を持たない私「自身」−「存在の彼方へ」を読んでみる10/もぐもぐ
 
であって、物理的空間の中には「ない」。「視覚」は、物理的空間の中に「場所を持たない」。
同じことが五感の全てについて言える。物理的空間の中には、音も匂いも味も手触りも痛みも温度も「位置付け不能」(「場所を持たない」)なのである。

道具的世界については、道具を役に立つように配列するには、「目的」が不可欠である。「目的」自体は「道具」ではありえないので、「目的」は、「道具的世界」の外(「果て」もしくは「中心」と思っても良い)にある。「目的」は、「道具的世界」の「中」には、「場所を持たない」。
その「目的」とは、ハイデガーによれば、究極的には、「存在」、即ち「私の生」である。そしてこれは、レヴ
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