場所を持たない私「自身」−「存在の彼方へ」を読んでみる10/もぐもぐ
る」としての私、という、論理表現により、これらの事態の描写が可能であることである。「実存者」と「実存」の関係は、レヴィナス的な語の使い方で言えば、「場所を持つ」か「持たない」かの相違に対応している。
存在しているもの(存在者)、この世の中の全ての「何者かである」もの、全ての「〜である」と割り切り可能なもの、は、世界の中に「場所を持って」いる。世界とは物理的空間としての世界である。或いは、ハイデガー的な道具連関としての世界である。いずれにせよ、全ての物理的存在者(物体、物質)は、物理的空間の中に「位置付け可能」であり、全ての道具的存在者(道具。実用品として見られた場合の「物」)は、道具的世界(ある
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