窓を叩くような/石川和広
在やで
ただちがう姿をして遠くへ消えてしまいそうに思う
俺もそのようにかすかに
あの小さな男の子のぴょんぴょんはねるような足取りと
それと細くて白目が多い目と
帽子と帽子と小さい靴とアニメの絵が描いたある
それはさみしいとはちがう
階段を登って店に入ってなぜかスポーツ新聞を買う
この店員の胸には「もりさき」と書いてある
でもなぜか君が「もりさき」であることが嘘のように思える
実際はちがうねんでけどな
なんでか
なんでかやけど
そんなこといわんけどな
もりさきという人のこと
それを考えるのは暇人のすることなんだろうか
かけがえのないとよ
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