いくつもの種類の赤/ホロウ・シカエルボク
 
の根本的な欠陥なのか、それともそれは囚われた挙句の血液だからだろうか?俺はそんなことを不思議だと感じる、その血と俺との間にさほど距離を感じないのは、首筋の傷がまだ新しい傷みを放ち続けているせいなのだろう
アナログ時計は時間という概念を心得ている、刻むというセンテンスを抑えることがどれほど大事なのか…音もなく表示されるデジタルがいくつものドラマツルギーを時代遅れにしてしまったのは確かさ、もっとも俺にはそんなドラマツルギーは何の関係もないことだけど…俺は文字盤を読もうとする、首だけで振り返ると傷が動き、いっそうの痛みが走る、俺は思わず小さな悲鳴を上げる、判っていたことなのにそれは生まれてしまう、俺は
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