いくつもの種類の赤/ホロウ・シカエルボク
 
そんなところでまごまごしていないことを俺は祈らずにはいられないよ、たとえそれが気休めに過ぎなかったりしてもさ
放り出されたチョコレートが毅然と形状を保ったままでいることが出来る刺激的な季節、俺は赤く染まったシャツをカーペットの上に広げ、薄いアルミの包みを解き、ひとかけら取ってシャツの真中にトッピングする、赤と黒…赤と黒だよ、なんて絶対的なコントラスト、友人たち、俺の言ってること判るかい?俺は別におかしくなったりしてはいないぜ、確かな感覚を持って…なにがしかを構成しようとしている途中なんだ、見たことも無い服を縫う針子のように、赤と黒、俺の血の熱はチョコレートを溶かすことは出来ない、俺自身の血液の根
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