いくつもの種類の赤/ホロウ・シカエルボク
 
蠢きを見つめることを止められなくなっているのだ、首筋の血を抑えながら窓を開けて確かに眺めたムーンパレス、はるかはるか離れた場所からの時を超越した輝きに俺は嫉妬する、この世で一番無駄な種類の感情のプロセス、失われ続ける生温かさが首筋にある限りはそんな無意味も仕方の無いことさ、タオル代わりのシャツはみるみる血に染まり、手の中で重くなる、やりすぎたのか?そんなことは無いよ、俺はやり過ぎたりすることなんかない、友人たちよ、おまえにだってそれは想像がつくだろう、どうしたって留まってしまうんだ、そうすることがいちばんの美徳だってどこかで信じてしまっているせいなんだろうな
体内を吐き出すようなむっとする血の匂
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