レヴィナスの芸術哲学−「存在の彼方へ」を読んでみる9/もぐもぐ
 
と、現代において「実存」を論じた現象学(哲学の一派)者たちは考えた))
今回は単にレヴィナスの芸術哲学に触れるのが目的なので、細かいことは一旦措いておく。

さて、「世界なき実存 1 異郷性」と題された章で、レヴィナスは世界内存在(人間)と「事物の他性」について論じている。
「事物は、所与の世界の部分としてひとつの内面に関係づけられ、認識の対象ないし日用の対象として実用性の歯車の連鎖に組み込まれている。そしてそこでは事物そのものの他性はほとんど目立たない」(p104)
これは、ハイデガーのいうような「道具連関」としての世界において、世界内の事物は、単なる実用的な「道具」としてだけあらわれ
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