11月、やつれた馬とはぐれた鳥、初めからそこに居る魚と外側から内側へ帰還する俺/ホロウ・シカエルボク
足元をすくい、俺をさらおうとする砂の構成、呼吸を奪え、呼吸を奪ってくれ…俺は死にたがっているわけじゃない、錆びた身体を輝かせてくれる一撃を待っているだけ、凍えるだけではどうしようもない
生きている、それだけで人間は狂うんだ
俺は波打ち際からずっと、死に場所を探しているやつれた馬のように大いなるたまりの中に足を踏み入れる、氷がまとわりつくかのような足…誰も俺を止める者はいない、そういうところだからここに来た、俺はそういう場所をうんざりするほど知っている、知らないぜ、知らないぜ、そんなものを記憶してる理由なんてこれっぽっちも…おお、俺は冬に感電している、はるかな刺激が中枢まで届く…恍惚をど
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