11月、やつれた馬とはぐれた鳥、初めからそこに居る魚と外側から内側へ帰還する俺/ホロウ・シカエルボク
をどこかに届けたがるみたいに仰ぎ見た空では、いつかの鳥が帰るべき群れを目指して再び羽ばたき始めていた、それでいい―向かうところがあるうちは懸命に羽ばたくんだよ―誰も認めてくれない理由こそが本当さ、飛び込めと暗示が聞こえた、倒れこむように水の中に潜ると、とたんに身体が重くなるのが判る…奪われるのは一瞬だ、奪われるのは一瞬なんだ、奪われることを怖れているうちにいつでもその瞬間を見落としてしまう―それはちょっとした恍惚なのに…それについてはもう話したのか?単語の重複だ、単語の重複だ、ただの、ただの…単語の重複ってだけのことさ―単語には何も語ることは出来ない、そこには便宜的な意味があるだけ、ただの肉体のよ
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