現実、夢、リアリティー−「存在の彼方へ」を読んでみる8(2)/もぐもぐ
力を持ったところのものである。由来を知りえないものでありながら、「リアリティー」は何時までも私に打撃を与えるものとして、私の乗り越え得ない壁となり続ける。
この「リアリティー」の「壁」は、ヘーゲル的な言葉でいえば、「現実」の「威力」であり、レヴィナス的に言えば、「他性の暴力」(p51)、「外傷」(p43、p50)等の言葉で呼ばれるものである。
このような、摩訶不思議な「リアリティー」に対する応答、それをレヴィナスは「責任」という。
(「現前の秩序に属さないがゆえに、一切の現在、一切の再現可能なものに先立つような過去との関係は、他人たちの過ちないし不幸に対する私の『責任』という異常で、
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