痴態女砲号/雑魚ヒロシ
 
集まってきた人々は増してゆく腐臭に惑い離れゆきそれから腕の欠けたの脚の震えているの頭の窪んだの目玉の溶けたの皮膚の剥がれているの様々が集まってきた死骸の処理は各署で押し付け合いになり憂いた一人が溜息を吐くと其の口から腐臭が漂い出し皆我先にと逃げ出した空を昆虫の雲が覆い尽くしうねりとなり吸い込まれ欠落達は音を立てて貪られ埋められていった肉は緩やかに暖かにふつふつと溶け始め赤や緑や又その入り混じった色の苔が広がり植物が次々に生え出してきた生え出してきた植物の胞子が雪のように降り虫たちが舞い踊る中で欠けたものどもは貪られながら交接を繰り返した腐肉は海のように広がり始め波を打ち始めたゆたう腐肉をゆりかごと
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