痴態女砲号/雑魚ヒロシ
ごとして溶けた肉に肉を溶かし欠落は集い離散し交接を繰り返していた胞子は雪のように降り溶けゆく肉の海の中で骨となった者たちが肋骨を寄せ合い絡み合わせ合い互いにいたわり合うように抱き合い漂っていた
腐肉の海は覆い尽くし無数の命を育んだ命の生まれるたびに海の色は澄んでゆき陽の輝きが澄んだ海を宝石のように覆った夜は月がひとすじの道を作り揺れる波に一人の女がたゆたっていた長い髪は汐にゆるやかに広がり幼い魚や甲殻類が広がる髪に隠れ棲み遊んでいた海面にゆれるやわらかな女の手のひらで小魚が眠っていた女はそれをいとおしげに眺め眺め飽くと口へと運び咀嚼したそれからうっとりとした瞳で排泄をした女の排泄物は海中に広がり小魚たちは群がった巨大な骸骨が海の底に横たわっていた洞穴のような暗い眼窩の縁には奇妙な姿の魚が月を見上げ姿を隠すと歌声が聞こえてくるのだった来ないよそんなもの
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