「大胆」な「懐疑論」と異なった「リアリティー(現実)」−「存在の彼方へ」を読んでみる8/もぐもぐ
 
いた私たちの「現実」は、そこでゆすぶられ、「衝撃」を受ける。その衝撃において侵入しているのは、私と共通することのない、完全に異質な「時間」である。「他者」の「時間」、それが「予測可能な」私の時間の中で一体何処に位置付けられるのか、全く「不明」である。「不明」、しかしだが確実に「ある」といわざるを得ない、「どこか分からない」その不思議な場所の感覚。それが「他者」がもたらす「現実」であり、私たちが通常思っているのとは完全に別個の「リアリティー」なのだ。

レヴィナスは、普通の「時間軸」としての「現実」とは異なった「現実」を見つめる。これは「驚くべき」ものである。この「驚くべき」別個の「現実」は、s
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