「大胆」な「懐疑論」と異なった「リアリティー(現実)」−「存在の彼方へ」を読んでみる8/もぐもぐ
「どこ」という問いの無条件な特権に異議を唱える。存在することからの剥離は『非場所(non-lieu)』を意味しているのだ。」(p33))
ここでようやく話は「懐疑論」に舞い戻ってくる。「懐疑論」は、「現実なんてない」と「現実」を否定するのだった。「現実なんてない」これは余りに非現実的な主張に見える。なぜか。これは、通常の感覚からすれば、「現実」というのは、「現在」「未来」「過去」という「時間軸」のことであるからだ(突き詰めて定式化してしまえば)。「現実なんてない」ということにより、通常の感覚からすれば、「懐疑論」は「現在も、未来も、過去もない」という、「意味不明な」主張をしているかのよう
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