「大胆」な「懐疑論」と異なった「リアリティー(現実)」−「存在の彼方へ」を読んでみる8/もぐもぐ
 
わまりないような気もするが、敢えて言えば、ハイデガーは「自覚」ということを重んじた哲学者なのではないかと思う。
例えば、「死への先駆的覚悟」によって「存在の意味」が明らかになる、そうハイデガーは表現する。随分大仰のような感じもするが、もっと小さなレベルでフェアに言えば、「一日の終わり」が「何時頃」来るのか「知る」ことによって、私たちは一日の「計画」を立て、「合理的」に自分の「生」を管理することができる、そういうことである。「未来」を「知らない」者は、自分の「生」を管理することはできない。腹が減ってから食べ物を探し、眠くなってから寝床を探す等の、「行き当たりばったり」の生活しか送ることは出来ないの
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