ネットと作品/ふるる
 
「動物化するポストモダン」(4)では分析する。「萌え」というキーワードにより蓄積されたデータは日々更新され、「オタク」たちに共有されることによって広まり、描く側は「萌え要素」を切り貼りして(それがどんなキャラクターで、どんな設定で、という物語を背負わずとも)「萌えキャラ」を描き、受け入れてもらうことができるのである。
 このようにコミュニケーションやデータベースを元にした作品の場合、「元となった作品」や「作者の作りつつあるもの」を「誰かが持ってきたモチ米」だとすると、「オリジナル」や「著作権」のような個人的権利への意識は薄く(無論、多くの労力を割いている作者に敬意は払ってはいるが)、「誰かが持ち
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