空の時間、断筆まがいと全容/れつら
自分自身、彼らには申し訳ないが、そのようなモチベーションで書かれていたのだ僕の詩は。これは忌むべきことである。少なくとも生活者たる僕にとっては。箸にも棒にもかからぬ言説は、ただただ許す為にあった。なにものでもなく、最大の弱者たる自分を。情けない。僕はおそらく甘く死ぬだろう。このままでは。今日明日死なぬだけの労働をして、三日後以降のことは忘れて。それは幸福という名では呼ばれない。若く美しい肉体が朽ちる夜に、僕は無に抱かれるのだ。部屋いっぱいに堆く積もった、日々の無に。
では、
何を書こうというのか、これから?
心よわい人、わたし。ゆえに僕は必死だった。自分の作が何かであることに。
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