昨日は孤独な世界?/錯春
 
わりこそすれ、こんなにもニュートラルなモノだとは教えられなかったから)
彼はいちいち同じ国の人間が1人死んでいたからといって、騒ぎ立てるつもりは無い。
もし、目の前に質量を伴った存在が現れたことに動揺なんてしてしまったら、テレビの向こうの悲劇は、最早悲劇ですらなくなってしまう。
何より、彼はニヒリズムを気取りたかった。

(僕はアレを警察に届けるだろうか。それとも、女子大生と付き合ってることをひけらかしてるクラスメイトを連れていって、度肝を抜かさせて遊ぶのかもしれない)

彼はまた、自分の行動を自分で予測することも好きだった。
ケイシはふと、バランスを崩し、転倒を避けるために、グラ
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