昨日は孤独な世界?/錯春
 
に思い出せたとしても、それは彼の植物の茎のような骨、また臭いを感じさせない無機質な肌)
彼女は、自覚していないだけで、ずっと煉獄のような恋をしていたのに。
(思い出せないのに、変なの。ナンセンスだっちゅーの)

ミカヨはティッシュペーパーで鼻を噛む。風呂に入らなければ。もう冬なのだから、裸のままではいられない。
そして、彼女はバスタブにお湯を溜めきる前に、この恋をまた忘れてしまう。
そう、いつだって。
大切なことは、一番始めに忘れてしまうのだ。

だけど心配する必要は無い。

真に大切にするってことと、近づかないのは、何が違う?



鉄棒で足掛け前回りの練習をしてい
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