刻まれたものは擦り切れるまでは息遣いで在り続ける/ホロウ・シカエルボク
いると河の側だという感じがする、夕暮れ前の光を黙って受け止める緩やかな流れの川面は死を身近に感じ始めた老人のように見える…シンパシーを感じるのは決して良いことではないぜ―安易な結論を求め過ぎてしまうのは頭でっかちになってる証拠さ、程よく行動が伴っていれば―結論に固執するのは愚かしいことだってすぐに判るようになる、思うにそこにも振動ってやつがきっと絡んでいるんだろうな
デジタルな音楽を聴きながら、デジタルなガムを呑み込み、アナログな振動について考えながら、アナログでアナクロな身体を揺らせてモノクロな橋を渡るとそろそろ家に帰りつく時刻だ、堤防から見る家並みはすべてが裏側だ―勝手口のドアの脇に積み上げ
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