刻まれたものは擦り切れるまでは息遣いで在り続ける/ホロウ・シカエルボク
り切ってつける気にもなるだろう…思うに俺の肉体の傷が最近とみに増えてきたのは―やっぱりいくつかの振動が身体に刻まれたまま癒えてないせいなのかもしれないな…消えないことはもう知ってしまっているし―シックでもホリックでも呼び方はなんだってかまわないけれど―ミニサイズのホットサンドみたいな粒になっちまったガムからはデジタルな味がする、そこには舌触りがないせいなのさ、俺は思うんだ、表面を滑らかにしちまえば大抵のものはデジタルに見える―70年台にどんな新世紀が描かれていたか思い出してみろよ、そしたら俺の言ってること少しは伝わるかもしれないぜ?
堤防に出た、雑草まみれの歩き辛い堤防だ、だけどそこを歩いている
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