昨日は孤独な世界?/錯春
 
は、正義をだらだら垂れ流すだけではなれない、ということを、生まれたときからよく理解していた。
だから、同級生でなく、幼馴染でなく、女子大生と交際をしたのだ。うっかり自分達のテリトリー内でくっついたりしたら、冷やかされたりノケモノにされたりするだろう。それを熟知していたからだ。
ハルオは中学生らしいリアリズムをもってして、呟く。
(精神の悪いところは、心の中でどんだけひどいことを思っていても、世界には何の影響も出ないとこなんだ)
もっと簡潔にいえば、身体感覚は自分を裏切らない、ということらしかったが、そこまで斜に構えるのは恐ろしかった。
一種のブランドのように、彼は年齢を認識している。

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