<SUN KILL MOON>/ブライアン
 
れる光のように。月は自らで光ることは出来なかった。月の光はあくまで他者だ。それは月にとってさえも。太陽に呼応する月の光。脆く感じられた。ぶれる光、崩れる光のように。だが、それ以上に朝の月は脆かった。月の存在は危うかった。月の影は太陽によって打ち抜かれたかのように見えた。そこは、貫通した跡。月は今にも息絶えようとしていた。自らの寿命ではなく、太陽の光によって。
 
 その間逆の光景がlaver氏の「月」にあった。過剰なまでの月。「熟れた果実」である月は現実から乖離する。力強い月。月の光が闇に浮かぶ映像。黄金の月。橙の月。異常な自己主張を見せる月。「未視感」は月に対してだったのだろうか。それは、「
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