幻覚の蛙/ホロウ・シカエルボク
だけのものだ
俺の恐怖の原点、俺は首をすくめたまま考え込んだ、俺の恐怖の原点、それは言葉にするとしたらどういった言葉になるのだろう?「我々にとっての蛇の目」と幻覚の雨蛙は言った、複雑化しているんだよ、すべては複雑化しているんだ…複雑化しているから言葉にならないだけなのだろう、だけど蛙は言葉にした、俺は彼らの目に劣るのだろうか?それともそれは彼らが俺たちとは違う、異種であるからこそ見える事物について話しているのというだけのことかもしれない、俺は蛇の目の怖さを知らない、だけど蛇の目という感覚は確かに知っているような気がする、あいつらには本能がある、俺にはそれがあるのだろうか?蛇の目、複雑化…俺は
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