敵を知り己を知れば…仲仲治さんに恐る恐る話しかけてみる/石川和広
会に自分は生きてきたという視点が欠けていたということです。その社会を否定するだけではことはすまない。自分の中にも社会に染め上げられた・社会と同じだからこそ反応する部分があるのだと。そこを考えないと批評の醍醐味がない。せっかく批評というなら、社会とあるいは世界と切り結ぶ点を模索したいと思いませんか。そのためには、いろいろ人の世話を焼いている時間はないのではありませんか。自分を掘り進めていくともっとちがう景色がみえるかもしれませんよ。単に対立するだけでなく対立する自己とは何者なのかと問う。絶望しているよりももっと絶望したくないですか。吉本批評のたぶん良質の部分は仲さんの言う「じぶん語り」と「他人語り」
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