敵を知り己を知れば…仲仲治さんに恐る恐る話しかけてみる/石川和広
。文学をするとして、文学バカになる必要はない。適応ではなく、ルールやモラルを既存と思うのではなく、ひとつひとつその意味を確かめ他者とすり合わせ、かんがえる作業だけが必要です。それは地味に見えるかもしれませんが、そうすることでしか創造というのは文学においてもないと思います。
吉本には激烈に他者を批判する癖がありますし、橋本には相当根深い他者不信があります。けれど優れているのは自己を問い、自己の間違い・苦しみをなんとか客観化し、人の前に提示することです。それが材料になって、人はそれについてあれこれいえます。つまり感想とかもっと構築されると批評です。私もこういう当たり前のことに気づいたのは最近なのです
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