月の光/xxxxxxxxx
 
たしは彼女を
殺さなくてはならない
そんなことは
とっくにわかっている

おそらくは。



淡々と奏でられるそれは
昨夜と同じ音楽
ただ色調は変わっていた。
わたしにだけ、わかるように。
それが何を意味するのか
彼女の横顔は
月の光に照らされて
泣いているようにも
笑っているようにも
困っているようにも
嘲笑っているようにも
縋っているようにも

見えて。



彼女にわたしの
言葉は届かない
殺すコトでしか
思いを交わせない

否。

そんなコトのために
来たのではない。
わたしは彼女を
殺さなくてはならない



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