街/佳代子
 
の端。猫の尻尾のせいだ。私とゾマスと赤毛猫は夜明けの街を闊歩していたのだ。
 橋の向こうのアスファルトの継ぎ目から星が一つ飛び出していった。赤毛猫は細めた目でそれを追った。ゾマスは呆然としていた。まるで曇ってる。
     ーゾマス 汚れた火屋みたい顔してる。
ゾマスは何か考えがあると言っていた。こんな恐ろしい事はない。私と赤毛猫は星のかけらを耳に詰めた。
 一番目立って高いマンションの三階当たりから、伸びすぎた子供が顔を出していた。下から小さな子が上に向かって叫ぶ。
     ー落ちるよ!  落ちるよ!
人形が落ちてきた。小さい子は人形を抱いた。傷はない。ほっとする。子供の顔がオレン
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