受胎告知/ホロウ・シカエルボク
 
いっこうに構いはしない
亡霊のようなものだと感じる時があるんだ、俺の本質は亡霊のようなものだと、肉体の言葉を通り過ぎた所に本当の詩がある、本当のポエジーが、確実に目視出来る霊魂、それこそが詩の本質ではないのか?亡霊のようなものだと感じることがある、俺の本質は確かにそういうものだと、俺が鏡の中を覗き込むその時、俺の大好きな薄暗い眼は本当にそこにあるのか?俺はもう10代ではないから、そんなことについて真実を求めたりはしないのだ
今が一瞬のもとに過去になるように、生命は死としてでしか認識出来ない、リアルタイムに感じているものは、本当は僅かな誤差の上にある新しい死なのだ、たったひとつの誰かの人生は
[次のページ]
戻る   Point(3)