私の言葉は公共物である/キリギリ
らだ。
2月のある寒い日。デパート7階特設売り場で行なわれていた
バレンタインフェアで関連性のゴディバを買った。
苛立ちが虫のように脛を咬む。空を見上げる。
あの雲が形を変えながら移動しカトマンズに雨を降らせる頃
消費税は10%にあがり既知と未知の区別もつかなくなった凡夫どもは
大量発生したエチゼンクラゲで新しいバベルを組もうと塩を振りかけて
いるだろう。余興は前座を終えますます青ざめ旋律は自らの生命線を
伸ばそうと見方や認識の変換を試みている。呪縛はさっきから誰かの
耳を縛ろうと試聴機に罠を仕掛けて待っているが今さらglobeを聴く者は
いない。
マジシャンズレ
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