詩学社、そして寺西さん/角田寿星
、積み上げられた本の山を金に換えることが寺西さんの負担を減らすことも明らかでした。
だからぼくは、本を可能な限り売り抜くために、頭を下げて廻った。
紙媒体の詩人からの申し出は、少なくとも大きなものは、ほとんどなかった、かな。それに関しては只野さんの方が詳しいとは思うけど。何にしても、これ以上はぼくの力の及ぶ範囲ではない。
ピクルスさんが、保管場所提供の申し出をしてくれた。ぼくは雑誌の在庫の残りを買い上げて、ぼくの仕事は終了。寺西さんと握手をして別れてきました。寺西さんはどこか疲れていたけど、笑みをたたえて、「これだけは手放せないですね」と実家に持って行く詩集の話などもしていました。
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