詩学社、そして寺西さん/角田寿星
しましょうよ」ということで詩学社に出向いたぼくが見たものは…
詩学社は、ぼくが想像していた以上に疲弊しきっていました。
マンションの一室を利用した事務所には、雑誌や詩集の在庫の山。
そしてそこにいたのは、かつてのスタッフは影も形もなく、すっかり痩せてしまった(「倒産ダイエット」と笑っていましたが)寺西さん、ただひとりでした。
後に聞いたところによると、かつてのスタッフは、経営状況の悪化の際に、クビを切るようなかたちで退職させられた、とか。
つまりこの在庫の山を、助ける人もなく、寺西さんひとりで何とかしなくちゃいかん状況だったんです。
これを見てまずぼくが思ったのが「いかん、この
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