爆裂(上、後)/鈴木
家に行くのかな。
逮捕は十日前のことで、隣町の中学校にて隠しカメラを設置するさなかの現行犯で引っ張られたようだが、校長の話からそれなりの間があった。警察の目を避けるためのアジトが存在したとしても不思議はない。
――そうかもね。
いかにも勝也が食いつきそうなネタだった。緑地の外縁に着くと首領は身の丈の幾倍もある金網を軽々と乗り越えた。各々続く。不可能だと涙ぐんでまで力説した洋介も叱咤と補助でようよう昇降できた。根に捕まりながら急な斜面を登り、振り返っても入った隙が定かならなくなるほど杉の乱立する地を奥へ進んだ場所で
――止まれ。
止まった。
――入会記念の特別サービス、新入り
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