爆裂(上、後)/鈴木
入りだけ来い。
四人が行き、四人が残った。バカシこと二年生・韮澤貴史は不平を漏らした。鳩爆破事件を語ったのは彼であった。勝也と二人でやったことを扁平型の鼻を膨らませながら執拗に強調した。幹に手を当てるゴンベエは平田権兵といい、四年生で、肩幅が広く、豆粒みたいな目と大きな口は形をほとんど変えない。寡黙で話を交わすのは稀だったが、それゆえか内容は印象に残っていて、去年の夏に引っ越して来たとか幼稚園に通う妹がいるとか思い返しているうちに洋介が近づいてきた。くねくねしている。
――祥ちゃんの友達ってなんて名前?
吹けば飛びそうだが祥平より二回り大きい。教えてやると幾度も唱えて、
――可愛い
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)