爆裂(上、後)/鈴木
 
 ――瀬名緑地だな。
 新築の一軒家が並ぶ道に入ると小山を正面に迎える。隣町との境界を縁取る形に広がるそこは公園や遊歩道が設置されてはいるものの大部分が木々の鬱蒼と生い茂る立ち入り禁止区域であり、確かに秘密基地の一つや二つありそうな場所ではあった。引率者が大声でがなった。
 ――捕まったよ! どこまでバカシなんだお前は。
 この頃は変質者が出没すると専らの評判であった。祥平は朝礼で知った。女性の前に躍り出て裸体を晒すのが趣味なのだそうで、それならば自分と似たようなものだ、と思ったのだけれども、知らない人に見せたがる点はさすが変態なのであった。涼斗がささやいてくる。
 ――あの痴漢の隠れ家に
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