爆裂(上、後)/鈴木
を並べるのは洋介だ。一人で来てまで腰巾着を買って出るとは、ここ以外に身の寄せどころがなかったのではないか。また連れの不在も単純に友人がいないというのが真相ではあるまいか。ぶ厚い唇をつきだして笑う横顔は管理人の温和なかんばせと似ても似つかない。建築物の間から遠く町境の森がちらつく。
――仲直りした?
涼斗は夏日に炊かれた米のようだ。茜も白い。比較すると祥平は黒い。前を行く奴らはもっと黒い。
――まだ。
約束を交わした翌日より度々茜の教室を覗いてみるも他の女子に囲まれていて、登校時は勝也がいるし下校時を狙うのはストーカーみたいだ、結果つけ回しているのが皮肉に思え、それでも廊下ですれ違い
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