爆裂(上、後)/鈴木
学業による忙殺を訴えたが止まない叱責に、しまいには管理人の孫であることを材料に許しを乞うた。このような言い訳を彼はよくやる。だからなんだ、と殴られるのが毎度の結末だった。どうして勉強しないのだろう? 今回は初対面の人間へ餓鬼大将の権勢を誇る厳しい一打になることが予想された。外れた。上げた拳を振り下ろさぬまま勝也は四人から七人に増した舎弟へ出立を宣言した。西に入道雲のそびえる晴れた日だった。概して学校へとは逆の方向へ進んだ。行き先を発表しないリーダー先頭に友達同士が並んで続く二列縦隊は統率の感を醸し、灼熱を堪えて遂行すべき重大な任務があるらしい感を醸し、期待はずれに終わる予感をも醸した。勝也と背を並
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