爆裂(上、後)/鈴木
 

 生物が集まる第三の場所は地の果てにあり、探検者の情報が食い違うため詳細はわからないが便宜的に『里』と呼ばれている。
 ――やられたの、本当に親父だったのか?
 うなずく。数瞬の不注意で貴史はいなくなった。
 ――乗れ。
 見渡す限り肌色の大地で彼は雄獅子の背にいた。倒木や死体が視界の後ろへ少しずつ逸れていく様だけが前進を示した。
 ――ピクシー語、教えてやるよ。
 ――ありがとう。
 ――まっすぐ行くと大空洞が、さらに進めば樹海が広がり、またその先に里があるって話だ。さっきみたいに運よく水にありつけ続ければいつか着く。
 ――飲んでおけばよかったかな。
 ――大丈夫、お前は
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