爆裂(上、後)/鈴木
 
立つ場の摩擦が急に無へ帰したような居心地の悪さで、わたしの微小な逆三角形の頭は観念など発し得ず差し出された供物を食らうだろうがそれは自然状態と言えるのか、いや自然状態とは神経回路の作り出した虚構過ぎないのだから、わたしがもう一つ重ねて拒否すべきはここで語られる言葉と語るわたし自身であるからして、さかしまの『クロエの誘拐』にてダフニスがしたような跳躍、否「跳落」! を! 要するのだ! ああ百舌よ百舌お前の口ばしでわたしの腹を裂くがいい! わたしは必死に腕を振り抗い、拒否する、の刹那に剥落した、というかあらかじめ剥落していたことになってしまったものを取り戻すだろう! いや取り戻せないだろう! 取りに戻
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