爆裂(上、後)/鈴木
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という物言いが響き渡るものの視界の隅に旋回する彼奴を直視してはならない、なぜなら細切れの父が一掴み幾らで売られる舞台上で肉食動物に囲まれて百獣の王と睨み合っていたからだ、目をそらしたら死ぬ。光の力を備えた右拳を繰り出せば獅子を吹き飛ばすのは造作もないが、羆を裁くこと叶わないまま父と同じ道を辿る破目になってしまう、というか父を救えなかったのになぜ暴力の行使を前提に思考しているのか、ここは己の生存を目的として行動するべきではないのか。先ほどやったように?
――わたしが断固として拒否するのは飼育による滑落、たらふく食わせてもらえるのだから滑走あるいは「滑昇」と呼ぶべきか、そういった類の、立つ
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