爆裂(上、後)/鈴木
 
ウルフカットの少年が屈んでおり、勝也は他者を制し覗き込み
 ――なんだこれ!
 全員に聞こえるよう大きな声で、
 ――やっぱり変態の家だったんだ!
 指差す。皆見る。そこにあったのは『しっぽり大前線』であった。勤労から解放された大人の溌剌と戯れる姿態を新顔たちが取り囲んで浮いた古株に班長は言う。
 ――大発見だ、な!
 ――勝也くん最高!
 瞬時に激賞したのは洋介で、飛び跳ね走り回り手を叩き続けた。権兵も拍手した。貴史は
 ――でも。
 述べきることができずに腹を蹴られてうずくまった。
 ――でもじゃねえよ、バカシ。ここは痴漢の隠れ家だ。なあ一年坊主。
風の起こすざわめきが大
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